マーズワン 火星移住への道

応募者総数 20万2586名 => 一次選考通過 1058名 => メディカルチェック通過 705名 => 660名 二次選考通過 100名 => 三次選考へ

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火星へ行くファイナル4人を選ぶには

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”マーズ4”を選ぶ

by Vince on Thursday, 12th November 2015 in Astronaut Selection

前回は、 100人から正式に訓練を受ける24人はどのように選ばれるのを説明した。 引き続き、マーズワン候補者選考責任者のノルバート・クラフト博士に、火星へ行く最終の4人はどのように訓練され、選ばれるのかをきいてみた。 Dr. Norbert Kraft’s Biography

 

これから応募者20万人以上の中から24人を選ぶことになる。 訓練と選考方法については、これから(マーズワンのトレーニングについての)放映権を持つことになる組織と話をつめていくことになる。 訓練の課題によっては、他よりもビジュアル(視覚的)に適しているものがあるからだ。  しかし、チームが学ばなければならない事柄については、我々がよく知っている。 

 

基礎訓練は、”マーズ24”(訓練に入る24人)がマーズワンの訓練施設で共同で生活し、勉強することになる。 彼らの家族も一緒でもかまわない。 毎年、この24人は火星での自給自足に必要とされる技術と知識を学ぶ - 医学、歯学、農業、電気、政治学、法律などである。  毎年9ヶ月間は一緒に訓練を受ける。 チームメンバーは世界中から選ばれることになるから、いくつかの訓練は各メンバーのホームカルチャーで行われることになるだろう。  例えば、候補者がロシア出身の場合は、その候補者のチームはロシアでしばらく過ごし、 ロシアの文化に馴染むことができる。

 

一年のうち3ヶ月間は、他のチームと競争することになり、これはちょっと手ごわいだろう。 4人で構成された6チームが、9ヶ月間学んだ後、課題に挑戦する。 各チームがお互い競争することになるが、時には2チームが協力しなくてはならないこともある。 これは非常に重要なことだ。 最初のチームが火星に到着した後、次の新しいチームを送ることになる。 すでに火星に定着し人間関係を築いたチームは、次に来る新しいチームをどのように迎え入れるのかを考えなくてはならないからだ。  

 

彼らが競争している時、課題に取り組んでいるときのチームダイナミクスとどのように成功に導いたのかを我々は観察する。 どのように上手くやっていくのか、または解決できない問題があるとき、どのように対処するのか?  どのようにチームが気持ちを切り替えまとまっていくのか? また、解決できない問題に直面したとき、どのようにチームとしてのアプローチの方法を変えていくのか? 各チームは自分達のアプローチの方法を選ぶことになるーアナーキー状態(リーダーがいない)、軍隊方式、民主方式、すべて使えるだろう。 しかし、他のチームより良いパフォーマンスを出さなくてはならない。 異なる課題ごとにチームアプローチの方法を変えていくのはとても重要だ。 この適応能力が、火星での過酷な環境で生きていくために必要なのだ。 チームは、課題によってこの能力を養い、経験を通してこの能力を高めていくことになる。

 

各チームには特定の専属トレーナーが付くことになり、各チームは訓練を続けるために競争を続けていくことになる。 つまり、いくつかのチームは競争の後、訓練から離脱することになる。  マーズワンが新規の応募者の受付けを開始すると、新しいチームが加わることになるからだ。

 

勝ち残っていくチームの決め方だが、毎年5つの投票によって決めていくだろう。 最初の投票は、チーム競争に勝つことから1票が得られる。 3票は、課題分野の専門家によって判断される。 残り最後の1票は一般投票によって決められ、複数のチームが同点の場合には勝敗を決定するタイブレーカーとなる。

 

なぜマーズワンはこのような重要な選考に一般投票を加えるのかと疑問に思われるかもしれないが、 マーズワンは人類全体のミッションであるという事実がある。 彼らが火星へ行くとき、彼らは我々人類全体を代表していくのである。 誰が人類の代表にふさわしいのかを決定するとき、一般投票も含める必要がある。

 

Story by Vincent Hyman, a writer and Mars One volunteer living in St. Paul, Minnesota, USA.

(注*上記は、読者の皆さまの利便性を考慮し、私個人が日本語翻訳いたしました。マーズワン財団が承認したものではありません。 翻訳の内容に疑問をもたれる方は、以下原文をご参照いただければ幸いです。もし翻訳に誤りなどがございましたら、コメント欄にてご指摘くださいませ。 ご協力ありがとうございます。

The story above is the Japanese translation of  the story below.  It has been prepared for the convenience of Japanese language readers.   It is "not" the official translation approved by Mars One.   If you have any questions about the translation,  please refer to the original English page. 

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火星は太陽風とともに

11月5日 またまたNASAから火星についての興味深い研究結果が発表された。

 火星探査機 メイヴン MAVEN (Mars Atmosphere and Volatile Evolution) によると、太陽風 (sloar wind) が原因で100gm/sec の割合で火星から大気が失われている。 たったこれくらいと思われるかもしれないが、これが何十億年という単位でみると火星の気候にかなりの影響を与える。 さらに惑星の気候変化のプロセスが解明されることで、何十億年前はウェットであったかもしれない古代火星の環境がわかり、それは生命存在のカギとなる条件の研究につながる。 

これはすでにわかっていたことじゃない? という方がいるかもしれない。でも、これまでは仮説でしかなかった。 今回、MAVENによって観察されて検証できたことは、とても意義深いと思う。

 

現在の火星では磁場が残っていないので、太陽風をさえぎるものはない。 大気は剥ぎ取られ、宇宙線はそそぎっぱなし、火星の表面は人間にとっても、他の生命にとって過酷な環境。 でも地下奥深くには何かがいるかもしれない? 

 

以下は太陽風が火星の大気を剥ぎ取っていくアニメーションです。

www.youtube.com

 

2015年11月5日発表のNASAのプレスリリース 

www.nasa.gov

   

映画The Martian マーシャンを観にいってきた!

あの『エイリアン』のリドリー・スコット監督、マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン出演の『The Martian』が公開されている。 日本公開がまだのようなので、内容についてはここではふれません。 特撮ではない実写の火星のような風景が画面いっぱいに広がります。 これを観るだけでも価値がある映画かもしれません。 地球から火星へ向かう宇宙船ヘルメスのデザインもなかなか良いです。 無重力環境から人工重力の環境へと移動するときのクルーの動きがとても素敵で、目に焼きついています。 実際は地球で撮影されているので、火星ではこういうことにはならないよね、と少しクリティカルな目線からみてもおもしろいと思います。

 

一言だけ言わせてもらうと、メキシコで公開されている際のスペイン語のタイトル『Mision Rescate (レスキュー・ミッション)』がいまひとつ腑に落ちない。 

 

配給会社のご担当者さま、スペイン語タイトルは『Mision Marte』の方がいいんじゃないですか? 日本語タイトルの方も、『火星オデッセイ』じゃだめでしょうか? 火星という言葉を入れてもらえれば大変喜ばしいです。 日本での公開は、来年2月のようですが、日本公開前に少しタイトルの検討をお願い致します。

 

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最後に、映画を観た後で強く思いました。 火星へのミッションは、やはりマーズワン方式の”移住”を目的にした方が安全だと再確認しました。 最初から火星に移住で行った方が、万が一地球に戻れなくなったときに、あせらずに済むでしょ。 火星からロケットを打ち上げて地球に戻ってくるということは、とても大変なことなんです。

 

おまけ: 

この方(下のYouTube)が原作者のアンディ・ウィア。 元コンピュータ・プログラマー。 

最初はソフトウェアのプログラミングの仕事もしながら、SF小説を書いていたそうですが、今回の映画化で、今は作家としての活動に専念しているそうです。 映画の中で、地球から火星への行くための軌道の計算が出てきますが、その軌道計算のプログラムもご自身で作ったそうです。 かなりのマニアックな方です。 宇宙関係の方々の話などを一切聞くことなく、この小説を書き進めていったそうですが、今までにない科学的にしっかりした火星を舞台にした小説だという評判です。

 

ぜひ本の方も読んでみてください。 原作の"The Martian"には科学的詳細が満載です! サイエンスにこだわりのある方には原作をお奨めします。

 

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マーズワンはどのように予算を割り出したのか?

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マーズワンはどのようにして60億米ドルという金額を割り出したのか?

by Natasha Schön on Tuesday, 25th August 2015 in Expert Opinions

 アルノ・ヴィルダーズ(Arno Wielders),マーズワン 共同創業者でありCTO(最高技術責任者)である彼は、欧州宇宙機関の技術センター(ESTEC)でペイロード研究マネジャー及びエンジニアとしてとして惑星探査ミッションプロジェクトにも貢献している。

今回、常にホットな話題となる、”どうのようにマーズワンミッションの予算は割り出されたのか?”を彼に聞いてみた!

 

我々が最初に行ったことは、NASAとESAが過去に行ったスペース・プロジェクトのコスト及びビジネス環境での開発コストを見てみた。 また、移住を目的にワンウエイで火星へ行く場合に何が必要になるかをみた。 この初期分析において、主要な構成と必要となるシステムの種類が何であるかがわかった。 製造、組み立て、試験など必要となるすべてのコストを考慮して、この(最初のクルー出発までの)60億米ドルという予算にたどり着いた。 強調したいのは、この予算、研究と作業をおこなったのはマーズワンではないということだ。 マーズワンは、今後も継続して、次の研究と開発への契約を宇宙開発専門会社と結び、それらの専門知識/研究結果を購入していく。 これらの専門会社は、過去20~30年間火星へペイロードを送り続けており、彼らは自らの仕事が何かを熟知している。

 

我々は、60億米ドルという数字が十分であると思っている。 しかしながら、絶対的に確信があるとは言えない。 プロジェクトがさらに進展していくと、コストが変動するかもしれないからだ。 将来何かミッションにとって重要なことが見つかった場合、コストが上昇するかもしれない。 コストについて、これ以上の詳細な説明をすることはできない。 なぜなら、米国の会社は、米国の法律ITAR(International Traffic in Arms and Regulations) 「武器国際取引に関する規制」に従わなくてはならないため、コストに関する情報は機密扱いになるからである。 

 

さらに、よく訊かれるのは、なぜマーズワンの予算は、他の見積もりより低いのか?

最初に言わなければならないのは、現在の宇宙プロジェクトというのはさまざまな政治的要因に左右される。 私個人の意見としていうと、どのようなミッションも承認される前、予算が下りるまでに、さまざまな政治的な討論や駆け引きが行われる。 これらの政治的プロセスは、予算がどこにどのように使われるのかということに費やされる。 これらの政治的プロセスは、それ自体が大変コストがかかるのである。 

 

二番目の低予算の理由として、マーズワンのクルーは地球に戻る必要がないからだ。 そのため、この”戻る”部分のコストを大幅に削減できる。 ”戻る”技術にはかなりの開発が必要で、それには多大な費用がかかるのである。

 

上記内容は、アルノ・ヴィルダーズ(Arno Wielders),マーズワン 共同創業者兼CTO(最高技術責任者)によるものです。

 

マーズワンのミッションについての詳細は以下のページをご参照ください: 

 

(注*上記は、読者の皆さまの利便性を考慮し、私個人が日本語翻訳いたしました。マーズワン財団が承認したものではありません。 翻訳の内容に疑問をもたれる方は、以下原文をご参照いただければ幸いです。もし翻訳に誤りなどがございましたら、コメント欄にてご指摘くださいませ。 ご協力ありがとうございます。

The story above is the Japanese translation of  the story below.  It has been prepared for the convenience of Japanese language readers.   It is "not" the official translation approved by Mars One.   If you have any questions about the translation,  please refer to the original English page. 

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イギリスの超有名ユーチューブタレント チャリー

英国のユーチューブタレントのチャーリー・マクドネルがマーズワン候補者をインタビュー! 平日の英国時間の朝7時から15分間(朝食を食べるくらいのちょうどいい長さ)の”シリアルタイム”という朝番組に、マーズワン候補者のライアン・マクドナルドが出演。  チャーリーがおもしろい質問をいろいろと爆発させます。開始6分くらいからライアンが登場。 おもしろいので観てみてください。(私の精神年齢がこの方達と同じくらいだということがわかりました)

 

このチャーリーは、イギリスで100万視聴者を最初に達成した人で超有名らしいです。  こうやってユーチューブで朝の番組がつくれちゃう時代がすでに来てる。 テレビ関係の方々がんばってください。

 

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火星で”液体の水”発見は、マーズワンのミッションに影響するのか?

先日のNASAの発見は、マーズワンのミッションに影響するのか?

f:id:etsuko4mars:20151010072641p:plain  by バス・ランスドルプ on Thursday, 8th October 2015 

 

先日NASAから、火星表面で暖かい季節には液体の水が存在すると発表があった。 これは、NASAのMRO (Mars Reconnaissance Orbiter)という火星探査衛星で得られたデータから導かれたものだ。 MROは峡谷やクレーターの壁に残された黒い筋を化学分析した。 それらは、丘下へと続く筋は数百メートルにも達する。 分析の結果、これらの筋は塩水からできていることがわかった。

 

この液体の水の発見は、マーズワンのミッションにどう影響を与えるのか?

NASAのこの発見のニュースは多くの人々の注目を集めた。 なぜなら、液体の水があることで、火星に生命が存在するかもしれないという可能性が大きくなるからだ。 この発見は、宇宙や火星のロボット探査、有人ミッションにに対する興味に火をつけた。

この”液体の水”の話題は人々の興味を引いたが、マーズワンの計画には直接的な影響は与えない。 マーズワンのミッションは、火星の土壌に含まれている”凍った水”を使う。 科学者の間では、火星の表土付近には氷が存在することに疑いがない。 最近、マーズワンのアドバイザーでもあるジョン・ランメル教授が、凍った水が存在する火星のさまざまな地域についての論文を著した。

"A New Analysis of Mars ‘‘Special Regions’’:Findings of the Second MEPAG Special RegionsScience Analysis Group (SR-SAG2)"

 

Photo Credit: NASA and USGS

 

上記の画像は、火星表土に近い深さで氷水が見つかる場所を表している。 マーズワンの拠点にとっての良い候補地は、35N、-150Eあたりだろう。 当初2011年にマーズワンが拠点として検討していた42Nという緯度よりもさらに南方になる。 7度南方というだけで、冬季の一番日照時間が少ない日に、太陽光パネルのパフォーマンスが40%も向上する。  火星に生命が存在するかもしれない - すべての火星探査にとって、NASAのニュースはとてもエキサイティングなものだ。 火星へ人類を送ることで、もっと効果的に探査ができるかもしれない - いざ火星へ!

 

参考文献 引用 

Rummel, J. D., Beaty, D. W., Jones, M. A., Bakermans, C., Barlow, N. G., Boston, P. J., ... & Wray, J. J. (2014). A new analysis of Mars “special regions”: findings of the second MEPAG Special Regions Science Analysis Group (SR-SAG2). Astrobiology, 14(11), 887-968.

 

(注*上記は、読者の皆さまの利便性を考慮し、私個人が日本語翻訳いたしました。マーズワン財団が承認したものではありません。 翻訳の内容に疑問をもたれる方は、以下原文をご参照いただければ幸いです。もし翻訳に誤りなどがございましたら、コメント欄にてご指摘くださいませ。 ご協力ありがとうございます。

The story above is the Japanese translation of  the story below.  It has been prepared for the convenience of Japanese language readers.   It is "not" the official translation approved by Mars One.   If you have any questions about the translation,  please refer to the original English page. 

 

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Destination Mars 火星へ

マーズワンプロジェクトについてのショートドキュメンタリーがリリースされました。

CuriosityStreamという上質のドキュメンタリー映画をインターネット上で配信しているサービスで観られます。 15分くらいの短編で5つに分かれていて観やすい長さです。 有料ですが、最初の一ヶ月間は無料です。 広告無しでさらっと観やすいので、ディスカバリーチャンネルが好きな方にはいいかもしれません。

 

今までみたマーズワンのドキュメンタリーの中で、一番いい出来かもしれません。 マーズワンの共同創業者で最高技術責任者のアルノ・ヴィルダーズ(Arno Wielders)がドキュメンタリーに初登場。 マーズワンの技術コンセプトについて説明しています。 他には、XPrizeのCEO、火星協会のズブリン博士やNASAの方々も出て、マーズワンについてのそれぞれの意見を述べています。 賛否両論、バランスがとれたドキュメンタリーだと思います。 皆さんのご意見をお聞かせください。 

 

予告編はこちらから。

 

全編を観るには、以下のサイトからどうぞ。

curiositystream.com